明治二十七八年征清従軍戦闘日誌
資料No | G-12 |
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カテゴリー | |
資料内容 | 日清戦争に従軍した一兵士の日誌 |
解題 | 明治27‐28(1894-95)年の日清戦争に従軍した、旧上水内郡七二会(なにあい)村(現長野市)出身の北島喜助氏(明治6(1873)年~昭和22(1947)年)の手になる70丁ほどの日誌1冊である。 北島氏は、21歳の明治27年8月に出征し、大同江を経由して盛京東南花園河口に上陸。旅順や金州などを転戦して、翌年の戦闘で胸を負傷して帰国した。日誌は戦場に携帯した手帳に記録した日記を、復員後の明治29年に編集浄書したものと思われる。 本資料は、北島氏の孫にあたる瀬戸多鶴子氏が譲り受け、資料が確実に保存され後世に伝えられることを強く願った瀬戸氏によって、平成22(2010)年5月に当館に寄贈された。 「歴史に名を残したわけでもない一兵士がどんな思いで出征し、何を感じたのか記録に残したかった」(『信濃毎日新聞』2009年9月15日付記事)という思いで編集されたと伝わるこの日誌には、激しい戦闘や冬の寒さに耐えながらの進軍の様子が詳細に記されている。北島氏の世代は、学制発布による学校教育と徴兵制による軍隊教育を受けた第一世代といえる。その世代の人物の視点を通じて、対外戦争における国民意識の有様、あるいは対戦国民への意識など、日本の国民国家が形成される過程を垣間見ることのできる貴重な史料である。 |
登録年度 | 2023 |
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