解題 |
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本目録は、伊藤友久収集資料にあたる。本資料は2019(令和元)年度末に、当館の保管下で展示資料等として利活用を望まれ寄贈された。2020(令和2)年度はじめに整理・目録登録を行い、ここに一般公開するものである。
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所蔵者は長野市在住。本資料は、飯田市街地の住宅兼敷地が都市計画対象となり、現居住先に移し保管するものの一部。①蚕玉様の押絵は額面上の造形で、明治40年の制作銘が額縁裏面にある。当時伊那谷地方に流入した押絵雛の技法で信仰の対象とした蚕玉神像を制作する。②ソロバンは、飯田市銀座商店街にあった嶋次紙文具店が、昭和8年に開店5周年を記念して関係者らに配ったことが分かる銘を刻む。③飯田大火復興の篩は曲物で、「昭和二十二年八月二十日 新調」と墨書きされている。昭和22年4月の飯田大火で罹災し、自宅再建のために購入したもの。自力復興を象徴する篩として長く身近に置かれていた。当館は行政文書「飯田市火災関係綴」を収蔵する。④看板記載の「安茂里村」は、学校開校を機に明治9年4か村が合併し瑞祥地名として命名された。江戸時代の平柴村は善光寺領で、その縁から善光寺本堂入口両脇にぶら下がる現提灯も奉納する。また実業家で慶應義塾大学工学部の創設に関わった藤原銀次郎の生家が切り開いた地として知られる。明治初期の自治区の編入合併を物語れる街区表示版は貴重である。⑤その他に戦前の広告団扇等、当館が所蔵し一般公開することが望ましいと判断する。
- 本資料の登録番号(請求記号)は以下のとおり。
伊藤友久収集資料 資料番号:G-36 資料番号:1
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