解題 |
- 本目録は、梅原康嗣・国立公文書館 統括公文書専門官室首席公文書専門官が、白馬村在住の吉澤高光氏より受領した書籍とその折の書簡類。2016年、新憲法公布70周年記念企画展として国立公文書館内において展示した資料の内の2点にあたる。ゆかりのある当館へ寄贈された。
- 憲法普及会編『新しい憲法 明るい生活』1947(昭和22)年刊行(請求番号:G17-1)は、家庭向けに2000万部印刷されている。日本国憲法の特色とこれからの生活について解説した小冊子。「大切に保存して多くの人人で回読してください」とあり、「新憲法を貫いている民主政治と、国際平和の輝かしい精神を守り抜くために全力を尽くすことを誓おうではないか」と結んでいる。憲法普及会は昭和21年12月1日、GHQの指導により貴族院・衆議院の両院と政府が、帝国議会内に日本国憲法を普及するための団体として設立した。会長は芦田均。表記冊子の刊行だけでなく各地の一般向け講演会も主催した。新憲法に関する懸賞論文の募集、楽曲、カルタ、出版物、映画の制作と、普及などを主な事業とした。金森徳次郎著作による公民叢書6『新憲法の精神』1947(昭和22)年刊行(請求番号:G17-2)は、社会教育連合会を発行所とする。はしがきによれば、「昭和二十一年十一月長野県主催の憲法精神普及講演会に於ける速記録を主催者の厚意に依り金森国務大臣の校閲を得て上梓したものである」とある。金森は法学者で、岡田内閣法制局長官、戦後吉田内閣の憲法担当国務大臣となった人物。本書中で、新憲法を「国民即ち皆様方の定められたる憲法である、皆様方の責任をもつて実現すべき憲法」とし、国民主体の憲法を率先して学習し、実現していくべきだと一貫して述べている。
- 本資料の登録番号(請求記号)は以下のとおり。
日本国憲法普及資料番号:G-17 資料番号:1
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