諏訪郡平野村林家文書

詳細情報
資料No 諏訪〔3〕/3-32
地域 諏訪
古文書

本目録に収録した標記文書は、2010(平成22)年度に上條信彦氏より寄託を受けた収集史資料群のうち標記文書464件678点を収めた。幕末から昭和10年代までの文書である。
 本文書は平野村林製糸所関係の工場経営関係文書が過半を占めている。平野村は1874(明治7)年、近世村である岡谷村・今井村・小口村・小井川村・西堀村が合併して成立した。本文書群には幕末の地方文書も若干含まれている。そのときの当主は岡谷村の定右衛門である。近代文書は林豊吉・同市右衛門宛の文書および一族の文書が中心となっている。平野村は1936(昭和11)年に岡谷市となった。
 岡谷はかつて製糸生産高が国内の4分の1を占めたというほど製糸業が栄えた地であり、とくに1905(明治38)年に中央東線が開通すると原料の繭や石炭の輸送、女工募集に有利となり岡谷の製糸業は全盛を迎えた。生糸の製造には大量の水が必要で、明治中期以降、製糸工場の規模が飛躍的に拡大すると、諏訪湖や天竜川河畔に大工場が集まった。本文書群には製糸工場の機器類の購買関係の證書、燃料・電力関係の契約書や女工・男工募集に関わる史料も含まれている。林家自体の家史料はごく限られている。
 幕末から明治中期にかけての地方地主が家内工業を勃興させる過程がうかがえるといえる。当館でも数少ない近代産業関係史料である。

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