筑摩郡東川手村堀内家文書

詳細情報
資料No 安筑〔5〕/5-67
地域 安筑
古文書

 本目録は、2017(平成29)年度に上條信彦氏より追加寄託を受けた収集史資料群のうちの標記文書47件48点を掲載する。すべて近代文書で、堀内三郎に関わる帳簿類である。
 東川手村(安曇野市)は潮・潮山中・潮沢・上生野の4ヶ村が合併し明治8年に成立した近代村である。本文書群は潮山中村堀内家の文書である。明治24年の戸数は556戸、人口は2,922人であった。
 史料の多くは堀内氏が貸し出した土地の賃借料の書き上げが明治10・20年代に多く残る。堀内三郎は水車営業人としてみえる。製材関係の通い帳も散見される。
 本史料群のなかで興味深いのは「五伍法則」の写しが残されていることであろう この達は明治7年に筑摩県から出された独自の道徳定書である。堀内三郎によって写された本書は前文から残されている。これによれば「夫人ハ万物ノ靈二シテ天地間二生ヲ禀ルモノ人ヨリ尊キハナシ 皇国ノ民トシテ御維新ノ明時二會シ万民御撫育ノ難有キ御意趣ヲ弁知セスンハ有ヘカラス」とあり、明治新政府の中央集権、天皇権威称揚政策を筑摩県において施行したものであることがうかがえる。江戸時代の五人組制度を換骨奪胎させ「五伍」とさせた点、当該期に独自の法令として政治と道徳を一致させたものが流布していたことなど、近世と近代の連続性をみるうえで重要な史料といえる。 また5-67-47は福島県士族浅岡一らによる民撰議院設立の建白書写である。浅岡は二本松藩出身で、広島県師範学校教諭などを経て後に長野師範学校第2代校長となった人物である。

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