筑摩郡潮沢村伊藤家文書

詳細情報
資料No 安筑〔5〕/5-39
目録巻数 17
地域 安筑
古文書  本目録に収録した潮沢村伊藤家文書は、平成4(1998)年に県立歴史館準備室が県外古書店より購入した史料群である。潮沢区は現在の安曇野市明科の地域名で、江戸時代には潮沢村として106石の村高であり、はじめ松本藩領麻績組に属し、のち川手組、享保11(1727)年に幕府領となった。明治8(1875)年東川手村に属した。幕末には214戸の戸数で、4倍に増加し、人口も1000人を超えている
本目録には360点の文書が収録されている。これらの史料から伊藤家は酒醸造屋を営んでいたことが判明する。文政12(1829)年のものが最も古い年紀で、明治期のものはない。いずれも幕末の当主仁左衛門に関するもので、酒発注覚、受取覚などの販売関係文書、醸造に必要な米・麹などの購入記録、販売帳簿類などの経営関係文書が残されている。また、酒屋地主として借用証文などもあり、酒屋による地主経営の一端もうかがえる。
史料の性格上私文書が大多数のため、年紀のない文書が大半で史料の時期を確定できないものが多い。いっぽうで注文主や売掛帳簿類などからは地域社会における酒販売の人的ネットワークをうかがうこともできる。当館で収蔵する関連する文書として潮沢村隠岐家文書(5-35)があげられる。本史料群には隠岐氏からの書簡類も若干含まれていることから、双方の文書をつきあわせることにより幕末の潮沢村の実態がより明瞭になると考えられる。
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