伊那郡三日町村鳥山家資料
資料No | 伊那〔4〕/4-28 |
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地域 | 伊那 |
古文書 | 本目録は2017(平成29)年、上伊那郡箕輪町鳥山宇一氏より寄贈された資料群を掲載する。 伊那郡鳥山家は越後守護新田氏の一族鳥山三郎時成を祖とすると伝えられる。南北朝内乱時、鳥山氏は上野国司新田義貞とともに転戦する。新田義貞の死去後も南朝方は信濃・上野国を中心に活動している。家伝ではこのとき伊那郡に土着したという。 戦国時代は箕輪衆の与力として福与城藤沢頼親に属したが、その後武田晴信、小笠原貞慶に付き、江戸時代に三日町で帰農し肝煎となった。以後半十郎を通名として明治維新を迎える。維新期の当主は半十郎義鄰(よしちか)で、戸長となり10数年勤めた名望家である。高遠藩主内藤氏が宿泊した「本陣」があり、別邸庭園もある。『信濃諸士肖像録』(4-18-E-15)によれば英一蝶など多数の絵画を所有していたようである。 三日町村は、1699(元禄12)年から幕末まで天領であったが特殊な朱印地として高島藩の貞松院の朱印地30石があった。貞松院に葬られた松平忠輝(1592〜1683年)の仏供料として幕府領の一部をさいて寄進されたものである。概して江戸時代の多くの期間、幕府領であった。 鳥山家資料の概要は原秩序をもとに以下のように分類される。 A 地図関係 B名主関係文書 C鳥山阿達・利一・織枝関係資料 D短冊(和歌類) E写真関係 F収集貨幣 G什器類一式 A地図関係は戦前期の印刷物が主だが、信濃国絵図は彩色図でしっかりとしたものが含まれる。B土地所有関係などの名主関係文書は、宗門人別帳を5冊含んでおり、『箕輪町誌』にも掲載された著名な史料である。 本資料群の多くは近代資料であり、宇一氏の祖母織枝・祖父利一に関わる書簡類(C)がもっとも多い。また幕末からの和歌の短冊も多く残されている(D)。地域の文芸活動で名主層などの名望家が果たした役割がうかがえる。E写真関係は人物の特定できるものはその旨を記したが不明のものは家族関係の写真として一括した。 Gの分類はおもに什器類である。雛人形類については、古今雛は染色の状態からみると、江戸時代後期の作品と推察される。曾祖父の鳥山半十郎の妻ふみが松本から嫁に来たとき(慶応年中)持参したものと伝えられる。這子・五人囃子・雛道具類も古今雛と同時代のものである。このほかの什器類も含めて展示資料として活用することになっている。 |
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