細川賢一収集史料

詳細情報
資料No 小県〔1〕/1-16
地域 小県
古文書  本目録は、2018(平成30)年に児玉容氏より寄贈された史料1225点を収録する。
 史料群の大部分は近世末から明治にかけての版本および刊本類であり1紙物の文書類はない。林務技師細川賢一は1877(明治10)年1月8日、諏訪郡富士見町に生まれる。1895(明治28)年松本中学を卒業後、第四高等学校、東京帝国大学農学部を経て、林野庁に務めた。その後台湾総督府・朝鮮総督府に勤めている。1955(昭和30)年3月9日に没した。この関係から、近世本草学書、植物標本類などがまとまっている。
 賢一の長男一郎は医師となった。一族に医師を輩出する家であったようで近世医書関係も豊富に遺されている。
 なお本史料群のおおよその分類を記すと以下の通りである。
A「地誌・歴史関係の和本類」 
地誌・歴史関係和本のほか謡曲・書道関係、明治期の地図もある。 
B「本草学関係の版本類」 
 大正から昭和初期に台湾総督府や朝鮮総督府等に勤務した林務技師細川賢一の収集したもの。中華民国・台湾の漢書類もある。植物標本もまとまっている。
C「解剖・医学関係の和本」
 医師となった賢一の長男一郎が収集した近世から近代にかけての和本類。
D維新~明治の社会背景を示す資料
 「太政官日誌」「防長鎮護」など維新期の史料も多い。
 「寄笑新聞」(創刊号~四号)は明治初期の戯作雑誌のひとつで文学史上珍奇なものである。
E「戦時関係資料」
 日中戦争時の記録類。とくに日中戦争時の新聞スクラップは、当時の報道を時系列で追うことができるもので注目できる。「時事漫画」は福沢諭吉創刊の「時事新報」を中心に活躍した北沢楽天が時事新報日曜版に連載した風刺タブロイド誌である。
 
 なお本史料群には文書類は含まれておらず、この点は細川賢一関係史料の残存・伝来の問題を考えるうえで注意を払うべき点ではあるが、全体としては上記のように大きな纏まりとして分類できる史料として意味を持つものである。このことは収集者のその当時の立場や思想・思考を反映したものといえ、時代背景も含めて興味深いものといえる。
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