令和6年度 古文書講座&古文書愛好会 活動スタートしました
5月18日(土)。午前中に古文書講座(上級)、午後には古文書愛好会夏季演習が開かれ、講座・愛好会ともに、古文書を読む今年度の活動がスタートしました。
古文書講座の上級は、今年度も尾崎行也先生を講師に、演習発表形式で古文書を読み進めていきます。今年度のテキストは江戸時代の上田城下町の問屋日記から尾崎先生がセレクトしたものを使います。
今回は、一人ひとり順番にテキスト本文を読み上げていきました。
次回からは、気になった事項を参加者一人ひとりが自身で調べて発表するゼミ形式で進めていくそうです。さすが上級!!
尾崎先生曰く、日記にはどんな話題が出てくるか予想がつかない面白さがある、とのこと。
文字が単に読めるだけでなく、その中身にまで深掘りして新たな発見を見出そうとする、古文書読解の醍醐味がここにはあります!

同日18日(土)午後には、古文書愛好会の活動がスタートし、夏季演習を行いました。
夏季演習では、当館に寄贈された史料群の目録取りをしていただいています。今年度から新たな史料群として、佐久郡長土呂村角田家資料を文字通り“ひもといて”いただきました。
佐久郡長土呂の角田家は、江戸時代を通し神職の家柄で岩村田藩主とつながりも深く、また、熱田神宮の大宮司を約40年務め、幕末期に尊皇派の志士としても活躍した角田忠行(1834-1918)などを輩出しました。
文献史料だけでなく、モノ資料も含め、約6000点以上にもなる角田家資料は、長土呂村政、岩村田藩政、幕末期の史料など多岐にわたっています。これまでに佐久市志編さんに際して調査され、当館でも平成18年(2006年)夏季企画展「幕末の信州ー時代を駆けた草莽たちー」で借用展示したことから、目録公開が待ち望まれている一大史料群でもあります。
一点一点、資料内容を読み取り、表題をつけていきます。
「これって「岩村田」じゃない?」―「あ!そうだ!」など互いに助け合いながら読み取っていく。同じ仲間と発見を共有する。これもまた愛好会の醍醐味ですね。
貴重な時間を割いて館蔵史料の整理・公開を手助けしてくれる古文書愛好会の活動は、当館にとって無くてはならない存在で、有難い限りです。
なお、今年度分の古文書講座の申し込みは締め切ってしまいましたが、愛好会は随時会員を募集しています。活動に興味のある方は是非、文献史料課(026-274-3993)までご連絡ください。 (文献・鈴木)