田中家コレクション「雛道具」を撮影しました。
当館では、田中家コレクション「雛道具」を所蔵しています。
初代田中平八は、幕末から明治にかけて生糸貿易で活躍した実業家です。
1834年(天保5)に伊那郡赤須村(現駒ヶ根市)の藤島家に生まれ、飯田で染物屋を営んでいた田中家の養子となりました。
その後、横浜において生糸や茶の取引で成功し、また金融業にも手を伸ばし財界の重鎮となります。
「雛道具」は、初代平八からみて孫にあたる女児のもので、二代目平八が自分の娘に買い与えました。
全部で81点の品物があり、非常に小さいながらもそのつくりは精密であり美しく、
作り手の高い技術力がうかがえる資料です。
当館では、2002年度の特別公開などで展示を行ってきましたが、
2024年度には静岡県・佐野美術館で開催される展示会にお貸しする予定であり、
先日、佐野美術館館長の坪井則子さん、雛道具研究家の川内由美子さん、日本人形文化研究所所長の林直輝さん立ち合いのもと、
すべての資料の状態確認と撮影が行われました。
3日間にわたり、館の職員も、状態確認や撮影、梱包とそれぞれ立ち回りました。
資料ひとつひとつの細かさや美しさが魅力的で、すべてが一緒に展示されるとさぞ壮観だろうと思います。
佐野美術館での展示会をお楽しみにお待ちください。