ティーンズ古文書講座開講!!
3月24日(金曜日)から4日間の日程でティーンズ古文書講座を実施しています。今回は中学生から大学生までの歴史好きのティーンズ10名が参加してくれました。
まず、初めに当館の笹本特別館長より話がありました。「歴史学の基本は古文書。全部読めないのは当たり前。古文書は間違いなく面白い!楽しみながら学んでほしい。」といった言葉に受講者は真剣に耳を傾けていました。
講師は村石文献史料課長です。まず、ティーンズの皆さんも含め誰もが知っている織田信長の「天下布武」のことで、教科書の記述が変わってきていることを紹介しました。古文書の新しい発見や解釈により「歴史は変わっていくもの」であるということなどをわかりやすく解説してもらい、古文書学習の意義をふまえた上で講座のスタートです。
1,2日目は「ヘンタイ仮名」の学習が中心でした。同じ日本語とはいえ、初めて出会う文字に苦戦しつつも、前後関係で読み方を推測したり、表をもとに自分の名前を変体仮名で書いてみたりと意欲的に取り組んでいました。
そうは言っても座ってばかりの学習では疲れてしまいますよね。せっかく歴史館に来てもらったので、古文書書庫にも特別に入ってもらいました。そして、32万点以上ある古文書の中から事前に閲覧申請用紙に記入をしてきた史料をさがし、みんなで見合いました。
江戸時代の生活の営みがわかる土地の帳簿や離縁状などの人の異動がわかる古文書、初代松代藩主真田信之関係の史料、長野県や善光寺の絵図など様々なものが出てきました。「どうしてこれを選んだの?」という講師の問いかけにも、みなさんしっかりと答えていて、自分と史料との接点を確認しているようでした。
出した古文書には実際にふれてもらい、紙の質感を体感したり、墨の文字の様子などを見たりしてもらいました。初めて古文書にふれるという人も多く、ドキドキしながら手にとって興味深そうに見ている様子でした。
また、当館で現在開催中の「2023年所蔵品展 至宝の名品 学芸員のイチオシ 古文書編 ―読めなくても面白い―」で展示中の史料も観覧しました。豊臣秀吉が上杉景勝に送った書状では、花押の墨の色、文書の折り方や封の仕方などに着目して、熱心に文書を見つめながら講師の話に耳を傾けていました。
古文書を通して、昔の人の生活や思いにふれた大切な時間となりました。若いティーンズの皆さんがこのように何百年も前の過去にふれ、これから何十年かの歴史を創っていくのかと考えると何だかわくわくするような気がします。ぜひ楽しみながら古文書学習を続けてほしいと願っています。
なお、令和5年度の古文書講座は令和5年4月14日(金曜日)から受付をします。ティーンズの皆さんに負けずにがんばりましょう!大勢の皆様のご参加をお待ちしております(^^)/ (大森昭智)