古文書公開日記80 ―古文書愛好会「大井法華堂日記 安政五年七月ゟ」翻刻本完成!―
今年度の古文書愛好会、「館蔵文書を読む会」の全8回の活動も終わり、1月15日に役員の皆さんで印刷、製本作業を行いました。
各班と全体会での丁寧な検討を通して作成した翻刻ですが、それらをまとめてパソコン入力をするのに、大変な労力が必要です。各班のものは班員の中でパソコンに堪能な方がまとめ、それを愛好会役員のパソコン担当者が集約をします。書式を整えつつ、誤字脱字等も確認しながらの作業は毎年気を抜けません。本当にご苦労様でした!
今年度の「館蔵文書を読む会」で扱った文書は昨年度に引き続き、「大井法華堂文書」です。今年度の夏季企画展は「佐久の修験 大井法華堂の世界」というテーマでしたので、関連もあり興味のもてる史料だったかと思います。
実際に読み解いた史料は「大井法華堂日記 安政五年七月ゟ」で、法華堂第20代当主源豊が書いた日記です。源豊は明治5年の修験廃止令により、還俗帰農しており、法華堂及び佐久の修験の歴史において重要な人物の一人です。日記を見ると、江戸時代末期においても法華堂が日常的に岩村田藩の役人や周辺の寺院、同行らと交わり、地域において中心的な存在であり続けていたことがわかります。また、企画展でも展示をしましたが、法華堂が皇女和宮から拝領したとされる靴があり、日記ではそのことにはふれられていないものの、和宮降嫁の際の記述があります。幕末の重大事件と法華堂との関わりを想像すると、わくわくしますね。ぜひ、楽しみながらお読みください。
翻刻本は当館閲覧室で閲覧することができます。また、当館HPでも公開をしていますので、以下からご覧ください。(*^_^*) (大森昭智)
https://www.npmh.net/old-doc/2023/01/post-3.php
※過去の翻刻本も当館HP「古文書翻刻」ページで公開中です!