古文書愛好会「大井法華堂日記」翻刻冊子完成!!

 長野県立歴史館古文書愛好会の中心的な活動として、年8回の「館蔵文書を読む会」があります。昨年度は新型コロナウイルスの影響で全て中止となってしまいましたが、今年度は日程の変更はあったものの会員の熱意によって全8回実施できました。

 今年度の「館蔵文書を読む会」では、「大井法華堂日記」を扱い、会員が4班に分かれて分担箇所を読み進め、班毎の発表を通して、全体で内容を吟味してきました。その熱心な読み取りの様子については、以前にもブログで紹介をさせていただいた通りです。「大井法華堂日記」には、岩村田藩主と法華堂及び龍雲寺、西念寺などの有力寺院との密接な関わりをはじめ、東照宮勧請、修験道の祖である役行者千百年御遠忌法要等の出来事についても興味深い記述が多く見られます。修験関係の難しい専門用語なども会員がすすんで調べ、資料を配布するなどして、みんなで学び合うことを楽しんでいるようでした。

 そして、当館の古文書愛好会がすごいのは、「古文書を読む」で終わるのではなく、「翻刻冊子にまとめる」ところまでやるということです。しかも、翻刻文のパソコン打ちから印刷、綴じ込み、製本まで全て会員の手作りなのですから、大変な苦労です。先日ついに、その今年度の冊子が完成しました。A4判全96ページの大作で、過日閲覧室に配架をいたしました。当館歴史館HP「古文書翻刻」でも公開しましたので、ぜひご覧ください。

 しかも、今年度は古文書資料写真画像とともに対応する翻刻文が1ページの中にセットで掲載されている特別版冊子(B5判全237ページ)も作成し、同じように閲覧室に配架してあります。実際の古文書画像によって原文が読めるということは、古文書を学ぶ方にとっては何よりもうれしいものです。こちらもぜひご覧ください。

※ただ、当館閲覧室は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために当面の間閉鎖しております。HP等で状況を確認の上、ご来館ください。

 今年の7月9日(土曜日)から当館で開催予定の夏季企画展「山伏-佐久の修験・大井法華堂の世界-」では、大井法華堂文書と関連資料を初公開いたします。こちらもお楽しみに(*^▽^*)(文献史料課 大森昭智)

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