古文書フォローアップ講座を実施しました!!

 10月23日、24日に古文書フォローアップ講座を行いました。古文書講座は例年初級・中級・上級のそれぞれ全5回ですが、「もっと回数を増やしてほしい」「もっと古文書の楽しさにふれたい」「もっといろいろな古文書を読みたい」といった受講者の要望を受けて、今年度からこの講座を設けました。

 23日(土曜日)は中・上級者向けの講座で、当館笹本特別館長が講師を務めました。テーマは「武田氏印判状を読む―長沼城と龍雲寺-」です。中・上級講座受講者の中には、古文書愛好会員も多く、先日探訪会で訪れた「龍雲寺」を思い浮かべながら、古文書にみられる龍雲寺と武田氏との関わりに思いをはせていました。また、武田氏が対上杉の重要な拠点として位置づけた長沼城の普請に、博士と呼ばれる呪術師を用いていたという話がありました。中世には水は神聖なもので、そこに手を入れる治水、普請は特別な行為であり、博士は畏れ敬われる存在であったはずですが、近世になり普請が大規模化が日常化すると、自然への畏れが弱まり、呪術師や水に関わる人々の地位も低下したそうです。現代に至っては科学者は自然への畏れを忘れているが、このまま自然破壊を進めてよいのかという、これからの私たちと自然との関わりを考えさせられる内容でした。「古文書を読む」ことが「社会を読む」「未来を読む」ことにつながるということが具体的にイメージできる講座であり、参加者はますます古文書への関心が深まったようでした。

 24日(日曜日)は初級向け講座で、村石文献史料課長が講師でした。「人生の一コマに文書を読む楽しみを!」というテーマで、岩村田を駱駝(らくだ)が通り、江戸に向かった様子を書いた日記などを題材とした講座でした。江戸時代、駱駝はどのようにして街道を歩いていったのか、駱駝を見世物として初めて見た江戸の人々はどのように思ったのか、様ざまな想像がふくらみます。思わぬ古文書との出会いによって、新しい発見をする楽しさ、ワクワク感が伝わってきました。また、参加者はこれまでの古文書の知識の確認もでき、さらに当時の生活、時代背景などがわかってきたことで、ますます古文書が面白くなったと大好評でした。

 これで、今年度の古文書講座は全て終了となります。昨年度はコロナ禍により、全く講座ができませんでしたので、今年度の講座は皆さん本当に楽しみにされていたようですね。今年度4月の講座受付開始から3日も経たずに定員満了となってしまった講座もあり、大変な人気でした。

 来年度も楽しい古文書講座を計画しますので、また受講者の皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。それまで、コツコツと楽しみながら勉強を続けていきましょう!

 なお、来年度まで待てないという方は古文書愛好会や古文書ボランティア等の古文書にふれていただく活動もありますので、ご興味のある方は当館文献資料課(026-274-3993)までお問い合わせください(^_^) 

(文献史料課 大森昭智)

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