古文書公開日記50-古文書愛好会始動-

 昨年1年間コロナウイルスが広がりを見せていたため、活動を見合わせていた古文書愛好会。結成より20年を迎えていますが、今年度は感染防止対策をしっかりとりながら活動を再開しました。
 まず活動の柱になるのは、「館蔵文書を読む会」です。200頁余りのテキストを、4つの班で分担して読み進めていきます。もちろん未翻刻・未紹介のウブな文書です。今年は、大井法華堂堂主源海が記した日記を読み進めていきます。どんな内容が記されているかいまから楽しみです。読み進めた内容は、秋に4度の読み合わせ会をおこない、補訂を繰り返します。その内容を印刷製本していきます。来年の4月には当館ホームページ上に掲載する予定です。

 県内各地にはたくさんの江戸時代の文書が残されています。当館の収蔵庫にも30万点以上の古文書があります。しかし、その文書のほとんどが未翻刻。九牛の一毛です。
 古文書は読める人だけのものではありません。たとえ直接古文書原本にアクセスできなくても、活字になってさえいれば、貴重な情報を誰でも知ることができます。地域の歴史を知ることができます。
 職員だけでの力では到底なんとかできるものではありません。愛好会の皆さんの熱心な探究心により、少しづつ古文書が解読され、ひいては県民益につながっていくと感謝しています。
 このほかの活動では「古文書演習」といって、未整理の文書群を速読して内容を把握し、目録取りをおこなう活動もしています。今年度は伊那郡大草村横前家文書を演習の材料としています。数千点の量と思います。
 古文書の読みは、こうした日々の鍛錬により少しづつ向上していくものです。ご関心のある方は当館文献史料課までお問い合わせください(村石 正行)。

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