阿部知事と笹本館長の対談「歴史館を語る」
11月7日(土曜日)に阿部知事と笹本館長が「歴史館を語る」をテーマに対談を行いました。歴史学習について語る場面では、知事は「学校の年号記憶型でいっぱい暗記しなくてはいけない歴史学習はおもしろくなかった」と発言。すると、館長も「私ほど年号が覚えられない人はいない。この中(会場内)で一番年号に自信がない人が館長をやっている」と応対し、会場からは笑い声。なごやかな雰囲気の中で、本当に歴史を学ぶということはどういうことなのかということを考えることができました。
この対談の大きな柱となったのは「学びと自治」というテーマでした。知事からは、「年号や出来事の暗記中心で社会的背景や人とのつながりを教えない歴史教育では、自分たちが歴史をつくっているという意識が希薄となるのではないか」という問題提起がありました。館長は「学ばないと未来が見えないし、歴史への責任として私たち一人ひとりが動くことが大切」と発言し、世界的な環境問題についても自分事としてとらえる意識や、足下の風土や地域の誇りなどを見直すといった多様な学びの視点についても議論が深まりました。
やや落ち着いたかに見えたコロナの波も各地で第二波、第三波という動きを見せてきております。コロナの先の新しい未来をより豊かに生きぬくために、ますます歴史を学ぶ必要性を感じる対談となりました。歴史館としても、県民の皆様とともに、何ができるのかということを考えていきたいと思います。