古文書公開日記30-城郭鳥瞰図データベース公開-
当館のホームページが大きくリニューアルしましたよ。
文献史料関係では、宮坂武男先生作図の城郭鳥瞰図(ちょうかんず)と民話データベースが新たに加わり、市河文書・信濃史料・明治期絵図地図データベースと含めて、資料のデジタル化が大きく進みました。
長野県は山国です。戦国時代の山城は、各市町村に1つや2つはあるものです。現在の姿は、山城が使われなくなった最後の段階のようすです。県内の小学校教員であり美術教師でもあった宮坂先生は若い時から山城の魅力に取りつかれたといいます。通常は、城郭の防御施設などを平面図に落とす縄張り図が一般的です。ここに宮坂先生は、城郭全体を、あたかも上空の鳥が眺めるように全体を描き出す「鳥瞰図」の技法を加えました。これによって1つの城郭を、隣接する諸城郭とセットでとらえることができるようになりました。また、山城のふもとにある景観なども描いているため、山城が「地域の文化財」として改めて意味を持つものだと実感できます。県内すべての城郭を調査したという意味でも貴重であり、縄張り図と鳥瞰図をあわせた宮坂先生の手法は全国でも稀有な事例で、今後も現れない空前絶後のお仕事です。2016年度に寄贈して頂き、当館で整理・デジタル化したものです(経緯はこちらをクリック)
学校の地域学習、公民館の歴史学習などでぜひ幅広く活用されることを願っています。とくに、明治期長野県絵図地図データベースの村絵図とセットで活用するとよいでしょう。なお、出版物等で掲載する場合は、必ず当館へご連絡いただきますことを申し添えます。