新・旧県宝のそろい踏み~縄文時代の動物装飾付釣手土器~

諏訪市穴場遺跡の動物装飾付釣手土器の写真2

 9月、主に諏訪地区の縄文土器158点が「信州の特色ある縄文土器」として県宝に指定されました(9月27日告示)。新たに県宝になった土器は、各市町村の博物館などでみることができます。
 これにあわせて当館常設展示室では、諏訪市穴場遺跡の動物装飾付釣手土器(複製品)を新たに登場させました。縄文時代中期(約5,000年前)、ヘビ?を思わせる装飾が3匹、香炉の釣手の上に乗っています。また、器の両側の縁では2匹がとぐろを巻いています。すでに県宝になっている富士見町札沢(ふださわ)遺跡出土品(約5200年前:当館蔵)と並んで展示しました。
 札沢例は、器全体がとぐろを巻く親ヘビと見ることも可能です。そこへ、三角頭の子ヘビ?(ツチノコのような形)3匹が上端に並んで乗っており、最後の一匹が下から登って来る途中のようにみえます。最後の一匹は、2枚目の写真と同じ角度でみると、器の向こう正面にちょうど顔がのぞき、4匹そろってこちらを見ているように配置されています。縄文人の絶妙でオシャレな感性を味わってみてください。
 一方、時期が新しい穴場例は、釣り手部分の装飾が華美になります。札沢例では三角頭だったヘビ?が、鼻先の平らな何者かに変化しています。体の装飾も派手で、ドラゴン?あるいはイノヘビ?(イノシシとヘビが合体?)へ進化したように感じられます。
 みなさんはどんな動物、精霊を想像されるでしょうか。常設展示室で、両者の変化をじっくりと見比べてみてください。

歴史館ブログ

ページ先頭へ戻る