河童だより13 河童のモデル「すっぽん」
江戸時代にはさまざまなタイプの河童の絵が描かれていますが、多くの河童には背中とお腹に甲羅がついています。しかし、描かれた河童の甲羅には、亀甲模様があまり見られません。このことから、甲羅も皮膚で覆われているスッポンの姿が大きく影響していると思われます。スッポンは、もともと日本に生息していたカメの一種です。「和漢三才図会」(1712年)に登場するスッポンは、中国の川の神である河伯に仕えている存在とされています。水の神と深い関係がある河童とも通じるものがあります。このようなことからもスッポンの姿が河童の姿のモデルとされたのかも知れません。