古文書公開日記10−古文書愛好会 今日もゆく−

整理作業をしている様子
愛好会の整理作業風景

 毎年恒例の古文書愛好会演習の季節です。古文書愛好会は、当館の古文書講座を数年受講された方々で、さらに実力を付けたいという方が中心になって結成された学習サークルです。現在約60名の方が参加されています。そのなかで、冬季に当館の未整理文書群の読み込みをおこない、粗目録を作成し整理する作業が「古文書演習」です。本年度は佐久郡上平尾村森泉家文書、水内郡古山村戸谷家文書、そして埴科郡森村中澤家文書の整理をおこなっています。今年は30名の参加で2月末まで計18日間開催します。いずれも昨年度および今年度に当館へ寄贈された史料です。まったく未見の史料ですので、一通一通何が出てくるかワクワクしながらの作業です。古文書読解は、当時生きていた人びとの「生の文字」を読むものです。そこから江戸時代の人の声やにおいが伝わってきそうです。なのでコピーや写真では分からない発見もしばしばです。
 整理するのは古文書だけではありません。今日も近世後期の和歌結社(サークル)の連歌短冊や、養蚕関係の蚕種紙、和宮降嫁時の助郷役の苦労談などがでてきました。江戸時代の庄屋は地域の文人の集まる場でもありました。中澤家の当主を描いたと思われる肖像画、きっとお酒が好きだったのでしょうね。作業されている最長老のTさんに似ているともっぱらの評判です。
 愛好会にご関心のある方は、事務局(県立歴史館文献史料課)までお問い合わせ下さい。大勢の方に古文書へ興味を持っていただければ幸いです。

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