ウーリーちゃんを探してみよう(4)

阿久縄文ムラ(常設展示室)のウーリーちゃん(イノシシの子どもの剥製)もヒトに慣れてきたという設定で、大胆にもムラの中央にある立石群まで出てきました。
ところで、縄文土器のもようを見ていくと、もしかしてイノシシ?という造形に出会います。しかも、最初はヘビだったのが、しだいにイノシシに進化・変身する場合もあります。
そこで、現在おこなわれている秋季企画展「進化する縄文土器」の展示品を見てみると、「いました!」。平らで大きな鼻先を、鍋(土器)の縁から出して、美味しい料理の匂いを嗅いでいるようです。落ちないように、両方の前足を鍋の縁にかけているのもかわいいですね。土器を横から見ると、つぶらな丸い瞳の顔がわかります。
この作り方は、大きな鼻先がなければ、ヘビのもように似ています。例えば、常設展示室にある札沢の動物装飾土器(?71)のように、少し古い時期の土器では、「三角頭に丸い目」と言えばヘビでした。ところが、時代が進むと、ヘビの頭の先端に大きなブタ鼻のようなモノが合成され、ヘビ→イノヘビ→イノシシに進化していきます。どうしてなのかはよくわかっていませんが、中期縄文人の信仰の対象がヘビからイノシシに移った可能性があります。
さて、この土器、企画展示室入口付近で、皆さんをお迎えしています。茅野市下ノ原遺跡から出土した土器(?8)です。どこにイノシシ?がついているか、じっくりと探してみてください。