木曽の宝1−食の文化財の宝庫・木曽−

木曽郡全域のほか、松本市奈川、伊那市西箕輪などでつくられるこの食べ物、ご存知でしょうか。
正解は、朴葉巻(ほおばまき)です。
朴葉巻は、あんこを餅で包み、それを葉っぱに包んだ食べ物です。ホオの木はモクレン科の落葉高木で、長野県では標高1,000メートル前後の山地帯に自生しています。ホオの葉には殺菌力があるとされるので、朴葉巻は保存食の一種ともいえます。
長野県は、文化財保護法に掲げられていない食物を対象に、1983年7月、「食(味)の文化財」を指定しました。最初の指定は、手打ち蕎麦(蕎麦切り)、焼き餅(お焼き)、御幣餅(ごへいもち)、すんき漬、野沢菜の5品目でした。朴葉巻は、その十数年後、2001年3月に長野県選択無形文化財に指定されます。
長野県の西端に位置する木曽地域は、食文化の豊かな地域です。
前述5品目のうち、すんき漬は木曽特有の食べ物ですし、蕎麦切り、御幣餅なども木曽と関係があります。2000年3月には、王滝村の万年鮨が長野県選択無形文化財に指定されるなど、まさに、食の文化財の宝庫ともいえます。
長野県立歴史館では、9月17日(土曜日)より、秋季企画展「木曽の宝」を開催します。木曽の貴重な文化財等を一堂に集め、ご紹介します。普段はなじみのない皆様を含めて、多くの方に、木曽の文化に触れていただければと思います。どうぞお楽しみに。
今後、「木曽の宝」に関係する木曽地域や企画展の話題や写真をご紹介していきます。