企画展示室より
長野県立歴史館では、2013年9月14日(土曜日)〜11月4日(月曜日)まで、秋季企画展「刃が語る信濃」を開催し、弥生時代から現在までの信濃ゆかりの刀剣を展示しています。今回は「直刀」について紹介します。
古墳時代の刀は、反りがなく真っ直ぐなのが特徴で、直刀と呼ばれます。この時期の刀のもう一つの特徴は、非実用的なほど長くなり、装飾が施されるようになったことです。戦闘より装飾的な要素を強め、所有者の権威を示す威信材としての役割が強くなります。ヤマト政権下で一元的に生産され、地方に配布されたと考えられます。陣馬塚古墳出土品の中には、全長が1メートルを超える直刀があり、鞘から抜きにくく実用性はなかったことでしょう。また、鐔などに当時としては珍しい銀をはめこんだ装飾(銀象嵌)が施されています。
紹介資料は、企画展示室にて展示中です。