お宝紹介 その1
2011年12月10日(土曜日)から冬季展“郷土のお宝「重文・県宝」を見よう”が開催されます。それに先立ち、冬季展で展示されるお宝達のほんの一部をご紹介しましょう。第1弾として鳥羽院庁下文(とばいんのちょうくだしぶみ)を。
この文書には平安時代の天養2年(1145年)7月9日の日付が記入され、年代等が記された県内最古の古文書です。専制的な権力を握り院政を行った鳥羽上皇(とばじょうこう)の命により、院庁とよばれるいわゆるお役所が、信濃国小川庄(おがわのしょう)を管理する役職である公文(くもん)などに小川庄をめぐる裁判の判決を下したものです。右上に「院庁下」と大きく書かれていることからその権力の大きさを感じ取ることができます。日付の下および左側には、この文書の作成に関わった院司(役人)の名前と花押(かおう)(サイン)が記されています。平氏勢力が小川庄ではたらいた横暴を止めるように命じており、信濃国でも武士勢力が勢力を伸ばしつつあったことがわかります。(福島)