ちょっとだけよ その6

 一段と秋めいてきましたね。高い山の上は、木々の葉が色づいたでしょう。紅葉といえば上高地の紅葉は素晴らしいことでしょう。今回は展示資料の中から、中沢弘光作「上高地大正池」(1932年 国立公園協会蔵)という風景画をご覧いただきます。大正池は1915年、焼岳の噴火によって梓川がせき止められてできました。この絵は大正池から穂高連峰を望んだものです。現在の大正池と比べると多量の枯木が林立していたことがわかります。上高地は1928年に芥川龍之介が上高地・河童橋を題材とした小説『河童』を発表し、一躍有名になりました。1935年頃には、すでに上高地に登山客・観光客が年間約5万人も訪れたそうです。こうして上高地は、軽井沢と並ぶ一大観光地・避暑地となっていたのです。(青木)

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