御入峯日記
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御入峯供奉日記 49 五ツ過ニ着、夫ゟ廣野坂、中程 桜木左右ニ有、余程ノ登りなり、 御茶亭立、田辺城下 并海上見ゆる、絶景、神變菩薩 石仏あり、次ニ大將軍ノ社有、 夫ゟ少シ行、上ミス村一*倉 明神社、少シ行川あり、 新にはし懸、八*上王子有、 岡田村ニ有といふ、次ニ牛*頭天王社 中麿村といふ社前ニ沼あり、 弐拾丁程行右之方ニ 岩倉山 人国山 雲之森 秋津神 若一王子 右之通立札あり、其処ニて拝ス、 *一倉明神社:珠簾みす神社の江戸時代の社名。田辺市上三栖に鎮座する神社。奉納相撲で有名。 *八上王子:八上神社やかみじんじゃ。主祭神は天照大神。江戸時代、社名を八上王子社といい、聖護院門跡の峯入行事の帰路、三栖で当社に向かって誦経する習わしがあったという。 *牛頭天王社ごずてんのうやしろ:須佐神社の旧社名。田辺市中万呂。万呂三カ村の鎮守で、社伝によると須佐之男命が曽志茂里より帰り着いた所で、神武天皇が即位された時に祭祀されたという。

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