御入峯日記
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御入峯供奉日記 47 水呑村水呑王子、右之方石あり、 役人出る、次ニ發*心門王子 御茶亭立御小休、代官松山幸作、 十二丁登り強し、峠越、湯川村湯川 王子社あり、御着御本陳与ヨ川 角左衛門、手前は与川義蔵方ニ 宿ス、夫ゟ岩神峠廿五丁登り 岩神王子、弐拾五丁下り又廿五丁 登り小廣峠、小廣王子有、此坂を 俗婦*夫坂といふ、又中川王子、次ニ 五本松、湯川村、次に若一王子権現 一本杉、奥州秀*衡之継桜有、 次ニ比曽原王子、夫ゟ野中村 紀州役人出る、先達・年 *發心門ほっしんもん:ここにはかつて大鳥居があり、中辺路から本宮へ向かったときは本宮聖域の入口となるため、祓いをしてから門を潜ったという。この入峯は逆峯なので進行が逆方向となる。 *婦夫坂:夫婦坂。中辺路にある草鞋峠からの下りを女坂めざか、栃ノ川を越えた急な登りを男坂おざかといい、合わせて夫婦坂という。その中間にあった茶屋を仲人茶屋といった。。 *秀衡之継桜つぎざくら:藤原秀衡が乳岩に置いてきた子の無事を祈って桜を折り、別の木に接いだという伝説がある。この山桜が古道沿いに秀衡桜としてそびえている。

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