御入峯日記
41/69
御入峯供奉日記 41 列座、五ツ時還御、今宵深山 御灌頂之御檀料十六ケ院にて 金千疋上納、外に百疋菓子料 岩本坊・報恩院・南光坊三人江 遣ス、是ハ世話いたし呉候ニ付 遣スなり、 六日、曇、六ツ時御出門、御歩行 町はなれゟ神*之倉江御成、東之方 海見ゆる、絶景也、本社并之宮 天照大神神倉社、高倉下命、 坂之下本愛*染明王登り口 弘法大師作地蔵尊座像、 *神之倉かんのくら:神倉神社。「クラ」は岩を意味する語。新宮速玉大社の背後に聳える権現山の南端にあるゴトビキ岩(ゴトビキは蝦蟇を意味する)をご神体とする。熊野権現が初めて地上に降臨した伝承をもつ古社。熊野速玉大社の飛地境内摂社。高倉下命たかくらじのみことを祀る。末社に満山社。 *愛染明王:妙心寺。高倉山の麓、神倉神社のすぐそばにある真言宗の寺院。神倉神社の本地仏である愛染明王を祀る尼寺。現在は無住で新宮速玉大社が管理している。
元のページ
../index.html#41