御入峯日記
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御入峯供奉日記 38 三日、雨降、辰刻御社参、御輿なり、 本*宮大権現・若宮地主権現御奉幣 御拝、竹之坊大蔵・長麻坊・連学院 御案内、末社御拝、四ツ過還御、昼 後湯之峯御成、御本供、廿五丁峠 峯に小*栗判官之社あり、八ツ過 湯之峯へ御着、銘々入湯仕候、 御本陳東*光寺七ツ半過還御、 六ツ過本宮御参堂、惣供、玉垣之 外にて御下輿、御沓にて御参堂、 御沙法あり、先達・年行事御幕之 内ニ並居ス、御沙法相済五ツ時 還御、若玉王子殿ゟ廻章左之通り *本宮:熊野本宮大社。和歌山県本宮町に鎮座。主祭神は熊野家都御子神けつみこのかみ(素盞鳴尊すさのおのみこと)。旧官幣大社。平安末期以降浄土思想と結びつき「蟻の熊野詣」とよばれて異常なまでに発展した。旧社殿は明治22年(1889)の大洪水で殆どが流失し、遺跡がある社地は大斎原おおゆのはらと呼ばれている。 *小栗判官おぐりはんがん之社:小栗判官遺跡。小栗判官と照手姫にまつわる社。小栗判官の物語は伝説。 *東光寺:本宮町湯峯ゆのみね。熊野本宮大社の別当寺院。病気平癒の薬師様で有名。天台宗。
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