御入峯日記
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御入峯供奉日記 32 御本坊鬼*童也、此日大日嶽・聖天嶽・千年手嶽 御代参、先達十王院被勤候、 廿六日、晴、前午牛ゟ五十丁、三*重ノ瀧 先手洗瀧、垢離取川・大黒の岩谷・日光 瀧・月光瀧・大師あかの井・ふせ清水・ 行者あかの井・弁天の森・白山権現・ 馬頭の岩屋・同滝六七丈計、二ツ瀧は 崩れ候故不見、此日御滞留也、 廿七日、丑刻御出門、百丁行タイコ 金剛童子、大*登難処也、少し御休足、 夫ゟ一丁程行池の鴻与云山へ懸、爰に 御小屋立御小休、是迄前午牛ゟ餅・煎染 献上、供奉面々頂戴、夫ゟ五十丁程行 カイコノ門乾光門と云処鳥井跡有、御拝御休、 次持*経金剛童子御休、甚辷り道難処、 夫ゟ平地、御昼飯十丁手前迄池田 仙十郎殿支配処北山村名主・年寄 *鬼童きどう:前鬼宿五坊のひとつ。五坊は、五鬼熊(行者坊)・五鬼童(不動坊)・五鬼上(中之坊)・五鬼継(森本坊)・五鬼助(小仲坊おなかぼう)。現在は小仲坊のみ残り、夏の間営業している。 *三重みかさねノ瀧:前鬼にある滝。千手の瀧・不動の瀧・馬頭の瀧を合わせていう。 *大登:25日に前鬼宿へ下り、26日は滝・窟参詣。27日再び奥駈道へ登り、夜行仙ぎょうせん宿着。 *持経じきょう:第22行所。役行者が経典を埋納した地とされ、金剛童子が祀られている。

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