御入峯日記
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御入峯供奉日記 11 八月朔日、同断、 同二日、曇、京都出立御室戸へ、 九ツ時着、直ニ着届いたし候処、南 都迄御先へ可罷出旨被仰付候、 宇治御滞留中は先*達五人・ 年行事五人勤番罷出候事、 其日宇治出立、長池迄二里、長池 より玉水へ一里半、玉水ゟ木津 へ二里、此夜木津泊、七ツ時ゟ大雨、 同三日、大雨、南都着、景*清門前ニ 止宿、 御*門主様六ツ過南都御着、御宿坊 泉珠院、一日御滞留、 同四日、快晴、春日御社参、御引導若 党壱人・草履取壱人・先達五人・年行事 六人供奉、四ツ時ゟ春日三社御社参、 若宮八幡宮ニ而神子神主五人計神楽 *先達せんだつ・年行事:本山修験の職の位。准年行事・年行事・先達と位が高くなる。 *景清門かげきよもん:東大寺 転害門てがいもん。平景清が、東大寺大仏再建の落慶法要で、平氏一門の恨みを果たす べく源頼朝を転害門で待ち伏せしていたのでこの名がある。 *御門主様:聖護院門跡盈仁えいにん法親王。第119代光格天皇の弟。この時35歳。天保元年没59歳。
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