大井法華堂日記2022

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29 者之間へ通る、別所直記殿被罷出、今日者急御催 ニ而内々御酒被下候与挨拶有、暫過御書院二ノ間へ 三人一所ニ罷出ル、御側衆給仕ニ而御吸物出ル、御盃台 御盃三ツのせ御銚子とも 御前御持参被遊、御 61 中腰ニ而銘々へ御盃御とらせニ成、御手づから 御つき被遊、宜敷与御意有之御引被遊候、次ニ 御硯蓋其外品々御肴出、緩々御酒宴有之、 暫過御大盃 御前御持参、ゆるりと与御意 有之、又々御手づから宇治川与申名酒御つき 被遊、御酒宴弥おもり銘々熟酔ニ頂戴仕候、 御料理ハ御吸物三ツ・御肴品々・御膳二汁七菜・ 御茶・御菓子、御取持ハ別処直記殿・春田勝三 郎殿・御側衆・御郡代・御中小性也、甚熟酔 ニ而夜五ツ半時三人一同ニ帰ル、首尾好相済、 廿日、御家老始御家中御礼廻ル、 同十一月十二日、江戸触頭快長院役僧参り、是 迄触頭役看坊清重院相勤候処、此度快 長院へ被仰付候趣口上申述ル、先例ニ付祝義 として金百疋遣ス、配下十五ケ院ニ而青銅 弐貫五百文祝義差遣ス、 62 同十一月廿二日、 殿様御急病ニ付二夜三日 御祈祷被仰付大般若転読、廿四日、結願 御札守献上、御初尾金弐百疋頂戴、廿四日 夕方割元佐五右衛門惣代として参り相頼候は、 殿様御祈祷御領分より御頼申度由申、則 廿五日ゟ又々二夜三日護摩并法華経読 誦御札守、廿七日結願ニ而割元迄遣ス、御領分 惣代として大和田村名主三郎次御初尾百疋 持参、廿七日、夕方極内々之御頼利根川茂七殿 被申聞候ハ、 殿様誠ニ御急病ニ而実は廿二日 御死去被遊候、右ニ付御棺之内へ書物納度候 間、内々御頼申候様御用人平野大八殿被申聞候趣 御口達ニ付、則梵文ヲ以相認差上ル、 十二月十六日、割元ゟ御役所之書付来ル、左之通 龍雲寺・西念寺・法華堂・両神主、右之面々 殿様御病気不被遊御勝候ニ付、為伺可被 63 罷出候事、十七日、伴僧壱人・草履取壱人ニ而、 割元案内ニ而龍雲寺・西念寺・法華堂・両神 主、先例之通ニ御玄関ゟ上ル、御使者之間へ通る、 戸倉十郎左衛門殿被出 殿様御大病之御機嫌 伺申上ル、可申上候間被仰置御帰り可被成与挨拶 被致各下ル、御役所へも罷出申上ル、此節圓満 寺は看主故哉不罷出、 同廿一日、割元ゟ申来、昨廿日 殿様御死去 被遊候間、明廿二日御悔御上り可被成与申来ル、 廿二日、四ツ時龍雲寺・西念寺・法華堂・神主