2019 年「今井家文書「文化三年御入院用記」・「文政江戸御 開帳御用記乾・坤」」
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1 解題に代えて 本書は今井家文書のうち文化三年 御入院用記及び文政江戸 御開帳御願用記 乾・坤2分冊を解読筆写したものである 今井家は江戸時代善光寺大勧進の代官職を務め世襲した初代天和年中は忠兵衛と名乗たが二代目以降は代官在職中は磯右衛門と称し九代続いた 今井家文書に関しては当館蔵文書を読む会ではこれまで宝暦九年日録をはじめ享和江戸 開帳用記など既に4回にわたて解読している 今回の文化三年 御入院用記は俳人一茶とも親交のあた文化人でもある六代磯右衛門の手になる文書で大勧進住職の交代第八十代住職孝覚から第八十一代住職亮寛へについて上野寛永寺・市谷自證院などを訪れた次第の記録である また文政江戸 御開帳御願用記は八代磯右衛門の時の文書で善光寺の江戸出開帳文政三年夏の許可を得べく文政二年に寛永寺や回向院更に幕府寺社奉行などを訪れた経過の記録である 今回の文書は東叡山寛永寺の権威の程も然ることながら信州善光寺と江戸との交流の一端も窺い知れる大変興味深い史料である * 本書を解読するに際しては東叡山寛永寺長臈浦井正明先生及び善光寺福生院村上光田住職には直接お伺いし種々ご教示を賜りましたまた市谷自證院先住や両国回向院副住職にもご面談いただきました厚く御礼申し上げます この間私達の郷土東北信地方においては去る令和元年十月の台風19号により大災害にみまわれました千曲川をはじめ大小河川の氾濫・堤防の決壊等により家屋や農地に甚大な被害を被た会員もあります被災された方々には心よりお見舞申し上げます併せて濁流に漬かた文書類など地域の歴史遺産が可能な限り修復保存されますことを願て止みません 令和二年一月

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