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松本藩座頭菓子釜商人出入御裁許之事

資料No(記号) 安筑〔5〕/5-52
説明(解題) 本目録は、2010(平成22)年に上條信彦氏より寄託を受けた収集史資料群のうち、標記文書1点を収録する。収集文書のため出所来歴等を詳らかにできない。
 本書は「寛文六年」(1666年) の銘記があるが写である。
 7紙の継紙で構成される長巻である。前半を鎌倉時代源頼朝の定法によって長吏職弾左衛門が朱印状を拝領し、二十八職人の出入免許を獲得した由緒を記す。そのなかに髪結・牢番についで座頭がみえる。座頭の由緒を正当化するための文言であるといえる。斯様な職人由緒書は鋳物師の真継家や木地師大岩家など多くの職人家系譜に見られる偽作文言といえる。
 転じて後半は、座頭と松本城下本町菓子職人との相論を幕府朱印を以て裁許した藩役所による裁許状の写しである。内容は、座頭による悪口喧嘩を停止すること、小商人へ菓子の売場は免許し、神社・寺内は宮司および法主より借り受けること、城下商人の内菓子釜本は古来からのものは格別であるが、新造釜は堅く停止すること、座頭は家財残らず取り上げ追放のことなどが記されている。城下における座頭と菓子職人間の縄張りと権益衝突が訴訟の原因であろう。
 前半の内容からみれば、本史料はおそらく相論の当事者の一方である座頭側に残された裁許状の写といえる。
 なお当時、献上物として氷餅があり、元禄八年には藩に御氷餅奉行が任命されている。菓子商人としては磯村伝兵衛・伝七が1854(安政二)年に松本城下で見える。また安原町には「徳岩」などが献上菓子を製造していた。在方にも簏菓子(はこがし)の名前が見え、餅と飴が売られていた。そのほかに菓子の種類としては、水飴・棒飴・上菓子・落雁・金平糖(米平糖)・生姜糖・せんべい等の名前が見える。温泉街には「まんぢう」屋が見られた。

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