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佐久郡大日向村浅川家文書

資料No(記号) 佐久〔2〕/2-23
説明(解題) 本目録に収録した佐久郡大日向村浅川家文書は、長野県立歴史館が2016(平成28)年に県外古書店より購入したものである。点数は1,000点を越える。
 大日向村は関東山系の十石峠付近に源を発して千曲川に流入する抜井川の中上流の谷間に所在する村で、現在の南佐久郡佐久穂町大日向地区にあたる。集落は武州道に沿って約6?の道筋に7集落が分布し、十石峠を経て上野国多野郡・甘楽郡に接する国境の村であることから、関東の文化や商人が流入する交通の要衝であった。村高は天保郷帳によれば約742石で、御影代官所(佐久市)支配の天領である。
 本文書群は同村上郷名主浅川源之丞家の文書である。
 大きく分類すると源之丞の時代の文書が一つの群を成している。これらは天保期から慶応期までの年貢皆済帳・割帳・助郷人足駄賃帳などが比較的まとまって構成されている。また借用証文、田畑質入証文のほか土地売買証などが江戸時代中期以降のものが多数残されている。売買対象は同村内だけでなく南佐久郡内の諸村、および上野国甘楽郡などの住人の証文まで含まれていることから、広域な浅川家の土地集積の様子がかいま見える。また1863(文久3)年8月の政変に関わる「御変革」で諸大名の通行増加に際する臨時役の割当帳(2-23-505など)なども、幕末の時代の雰囲気を伝えてくれるものである。
 もう一つの括りは、明治期に大日向村戸長を務める浅川源助関係のもので、上述の土地集積関係のもののほか、大日向村戸長役場の作成した帳簿類が多く残る。そのほかは浅川源助家の家庭生活に関わる雑多な史料や私信も含まれている。山間地であることから、猟銃願や狩猟免状なども地域的な特性を伝えてくれる。
 興味深い史料としては、秩父事件に関わるものを挙げることができる。1884(明治17)年に埼玉県秩父郡の自由党員等が結成した秩父困民党の一部急進派が、参謀長菊池寛平(北相木村出身)に率いられ十石峠を越え佐久郡へ乱入した。大日向村本郷の龍興寺はその本陣となった。借金証文や役場帳簿の破棄や土蔵の破壊がおこなわれた。戸長浅川家もその対象となったようで、「紛失並毀壊物御届」「暴徒乱入之際紛失発見届」などの史料がそのときに破壊・強奪の対象となった品物が書き記されている。のちに裁判として返還を求めた「言渡書」も残っている。
 大日向村は1939(昭和14)年満蒙開拓の分村移民の代表的な村として知られるが、本史料群は明治中期までのもので完結しているため、戦前期の開拓団関係の史料は含まれていない。

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