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松本藩士荒川家文書

資料No(記号) 安筑〔5〕/5-38
説明(解題)本史料群は長野県立歴史館が2016(平成28)年に県外古書店より購入した史料160点である。いずれも幕末から明治末まで活動した筑摩郡出身の荒川右門太(貞正)本人に関わる史料である。
これらの史料の構造を分析すると次の3つの特徴が挙げられる。
第1は、1868(慶応4)年4月以降の飯山戦争に端を発する北越戦争に関わる書簡が多数含まれている点である。とくに右門太は閏4月7日以降松本藩兵として新政府軍の監軍(いくさめつけ)岩村精一郎の指揮下に入った。富倉峠を越えて越後国へ入り、以降5月3日から8月29日まで、右門太が弟左門太や父に対して15回にもわたり定期的に書翰で従軍報告をおこなっている。

 月 日・右門太の居所
 5月3日 新井宿・高田城下
 同 8日 堀之内沢
 同 9日 長岡 小出嶋
 同17日〜6月6日 浦佐宿
 6月8日 須原村
 6月28日〜 半蔵金村
 7月2日〜 田ノ口村
 7月22日〜 長岡〜田ノ口村
 8月8日 村松街道長峰峠
 8月12日 高石村 敵兵残らず会津へ逃亡し越後平定と兄へ報告

 右門太の報告は精細に富み、伝聞も含めて北越戦争の戦況が一藩士の視点でうかがうことができる貴重な記録といえる。
第2の特徴は、北越戦争に関わり右門太が書写した越後の街道図や絵図が多数含まれていることである。なかには柏崎から鯨波までの略地図および海上より砲撃した様子を伝える書き込み(5-38-124)など、今後の戦史研究に益すると思われる史料も含まれている。
第3の特徴は、明治維新後の右門太の活動をうかがわせる設計・建築請負に関わる明治中頃の史料が含まれていることがあげられる。本城村(筑北村)中峠道路建設や烏川役場(安曇野市)から請け負った拾ケ堰用水水門の新設工事などの史料がある。
 以上のように、本史料群は荒川右門太の幕末維新から明治末年までに関わる半生を克明に伝えるもので、また北越戦争の戦況を考えるうえで重要なものといえるだろう。


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